こんにちわ!高柳です。
長引いた猛暑から一転して急に肌寒くなりましたね。
夏があれだけ暑かったのだから今年の冬は暖かいのかと思ったら甘かったようです。
日本を集中攻撃しているような極端な天候が続きますが、
平成最後の冬は4年前のような豪雪は勘弁してほしいものです。
豪雪で潰れたサンルームを新しく建て直しましたが雪が降る度に毎年ヒヤヒヤします。
美容院で切った髪の行方は?
美容師をしていると時々聞かれることがあります。
「美容院で切った髪ってどこかに売るの?」
売りませんよ~!
大昔の日本では食品加工に利用していた記録があるそうですが、
現代日本においては製品化するための作業リスクが見合いませんので都市伝説に近いです。
ですが、逆に何百年後かの未来では髪の成分をどうにかして食料等に変える技術が確率するかもしれないとは言われています。
マネキンやウィッグになるんじゃないかとも聞かれますが、
日本国内でカットした髪を密かに売って儲けるなんてことは先程と同様、作業リスクに見合いません。
じゃあ切った髪の毛は捨てちゃうの?
ーはい。捨てます。事業ゴミです。
マネキンやウィッグの毛の正体は?
ヘアマネキンやヘアウィッグに使用されている毛には大きく分けて人工毛と人毛があります。
一般的に多く販売されているものは比較的安価な人工毛が使われています。
(もしくは人毛とのミックス)
プロ美容師が使うカットウィッグ(マネキンといわれますが)、サロンや専門店で販売しているウィッグなどは人毛です。
人工毛の3倍以上のお値段です。
タカビ学生が授業で使用している練習用カットウィッグも100%人毛です。
人毛って誰の毛なの?
ー主に中国です。中国は人毛取引(Hair trade)が盛んな国のひとつです。
せっかく伸ばした髪、日本国内ではゴミになるだけなんてもったいない…
と思うかたもいらっしゃるでしょう。
近年、日本でも髪の毛の再利用を目的とした活動が起こり始めました。
ヘアドネーション
Hair Donation
【donation】寄付。寄贈。贈与。助成。
ヘアドネーション(英: Hair Donation)とは、小児がんや先天性の脱毛症、不慮の事故などで頭髪を失った子どものために、寄付された髪の毛でウィッグを作り無償で提供する活動。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本でヘアドネーション活動をしている団体は3つあります。
特定非営利活動法人 Japan Hair Donation&Charity
特定非営利活動法人HERO
株式会社グローウィング『つな髪プロジェクト』
主に有名なのは一番めのJHD&C(ジャーダック)ですかね。
Japan Hair Donation&Charity (ジャーダック) ホームページ
そのジャーダックへ髪の毛を寄付したニュースが大変話題になっています。
小児がんの子どもへ小2男児が髪を寄付
なんと7歳の男の子!
4歳で髪の毛の寄付を自ら決意し3年間伸ばしたのだそう。
ANN NEWS 2018年9月8日放送回
石田丞(いしだじょう)くん小学2年生7歳が医療用ウィッグを待つ病気の子どもたちに役立ててほしいと自分の髪の毛を寄付
「髪の毛の再利用」なんてものを超えた素晴らしい行為だと思います。
病気と闘う子どもたちが自分に合ったウィッグを付けられるだけでどれだけの勇気と活力が与えられたのか。
髪の毛に携わる我々からしたらグッとこみ上げてくるものがあります。
イケメェェェェェン!!!
ヘアドネーションに参加するには
寄付する髪の毛の条件
・31cm以上の長さがあること
・カラー、パーマ、ブリーチヘアでもOK
・完全に乾いていること
以上。
どんな髪質でもOKなんです。
くせ毛でも白髪まじりでもカラーやパーマしてても。
ひっぱって簡単に切れるほど傷んでなければ。
あとは伸ばしてヘアドネーション賛同店でカットしてもらって送るだけ。
(群馬県内には66店舗あります)
カット代は通常どおりかかるのでカットついでにヘアドネーションしたい旨をサロンに伝えてください。
トリーメント特典などを設けているサロンもあるようですが、基本「無償の行為」です。
こういうことを驕らずにサラッとスマートにできる人間になりたいものです。
提供された髪の毛が医療用ウィッグになるまでの映像を見ましたが、気の遠くなる作業でした。
今より多くの毛髪が集まれば作業効率が上がり、より多くの子どもたちの手にウィッグが届くことでしょう。
最後に
かくいう私も長髪男子ですが30㎝以上は未だに伸ばしたことがありません。
というよりそんなに伸ばしたら世間の目が怖いです。
今でさえ初対面のかたに
「あの…なんのお仕事されてるんですか…?」
と、聞いちゃいけないことお聞きしますが、みたいな感じでよく言われますし。
美容関係です、と答えると決まって
「あぁ~~!!なるほどやっぱり~!」。
このやりとりがパターン化しつつあります。
ですので、石田丞くんのニュースを耳にしてまず思ったことは、
いじめられなかったのかな…
でした。
小学生という多感な時期に稀有な見た目はそのきっかけに充分だったはずです。
それでも最後までやり遂げた丞君の強い意志に畏敬を超えた畏怖さえ感じます。
ニュースでは、同級生にからかわれたが両親の協力もあってやり遂げた、とありました。
本日の読売新聞の一面にはいじめ問題。
小中高のうち小学校でのいじめが最も多く、不登校・自殺も年々増加しているとの記事。
2017年
いじめ認知件数 41万件超(過去最多)
不登校 14万人超
自殺 250人 読売新聞2018年10月26日
先生からのメッセージです。
リセットではなくリスタートしてください。
そのためには周りの大人の協力が必要かもしれません。
大人は信用できないかもしれませんが、歳の分だけ知恵と経済力があります。
近くにいて気付けなかったこと、若者の多様性になかなか追いつけないこと、申し訳なく思います。
でも、自分をぶっ壊すくらいなら、できるだけ近くの大人に甘えてください。
できることがあります。
人間が人間である限り、いじめはなくなりません。
哀しいことに、学校内だけでなく社会に出ても形を変えただけの同じ縮図です。
それを経験してきた我々が教えられることがあります。
もし、逃げ場を失くしたら我々の存在を思い出してほしい。
忘れないで。
教務部 髙栁